シチリアを征服したクマ王国の物語

シチリアを征服したクマ王国の物語

「シチリアを征服したクマ王国の物語」 作・画:ディーノ・ブッツアーティ 訳:天沢退二郎・増山暁子 発行:株式会社福音館書店

自分たちの王国を打ち立てたクマたちの運命

とおいむかし、クマたちは高くそびえる山の中で静かにくらしていた。
ところが厳しい冬がやってきて、飢えと寒さにたまりかねたクマたちは山を下り、人間の住む平地をめざす。
行く手に待ち受けるのは、残忍な大公に、ばけ猫、人食い鬼。
ゆうれいもいれば、魔法使いもいる。
さてはてクマたちの運命やいかに。
さあ、それではまばたきもしないできこうではないか。
おもしろく、やがて悲しい、シチリアを征服したクマ王国の物語。

(福音館書店HPより)

絵の多い本(?)です。

なにかの冊子(徳間書店の「子どもの本だより」?)で見かけて読んでみることにしました。

ファンタジーということかな。
クマが人間と戦争するっていうのもすごい話だが、
幽霊や化け猫、大ウミヘビなどといったものまで出てくる。
化け物も、そして人間もクマたちは次々と打ち破ってクマ王国ができる。
ところが――クマも人の子(?なわけないがこう言うしかないのだ)
だんだんおかしくなっていくんだな、これが。

カラーの絵がたくさん入っている。
作者がみずから描いただけに内容を的確に表現している。
文章を読みながら絵を見て「なるほどこういうことか」とうなずくことしばしば。

まあ大感動するような本ではないと思うが、ユニークな本なので一見の価値はあると思った。
よかったら手に取って読んでみてください。

 

“LA FAMOSA INVASIONE DEGLI ORSI IN SICILIA” by DINO BUZZATI(1945)