2020年11月

天使のにもつ

「天使のにもつ」 作:いとうみく 絵:丹下京子 発行:株式会社童心社 ● 中学2年の斗羽風汰は、恒例の職場体験実習で、「楽そうな」保育園へ行くことになった。 が、当然のことながら、保育園、そんなに甘くはない。 元気いっぱいの子どもたちの相手をするのは、並大抵のことではない。 しかも雑用(?)も山のようにある。 そんな風汰になついてきた「しおん君」。 四歳の彼は昼寝もせず、友だちとあまり遊ばず―― […]

バウムクーヘンとヒロシマ

「バウムクーヘンとヒロシマ ドイツ人捕虜ユーハイムの物語」 作:巣山ひろみ 絵:銀杏早苗 発行:株式会社くもん出版 ● 洋菓子のユーハイムといえば私でも知っている有名菓子店だ。 そのユーハイムさんが日本で初めてバウムクーヘンを作ったそうである。 しかしそこには秘められた話が…。 ドイツ人のユーハイムさんは第1次世界大戦で捕虜として日本に連れてこられた。 広島県の似島収容所に入ったユーハイムさんは、 […]

飛ぶための百歩

「飛ぶための百歩」 作:ジュゼッペ・フェスタ 訳:杉本あり 発行:株式会社岩崎書店 ● 中学を卒業したルーチョは、おばさんのベアと登山をしていた。 ルーチョは5歳から目が見えない。 しかしなんでも自分一人でやりたいという気持ちは強い。 その山で出会った少女キアーラ。 最初はなじめなかったが、ルーチョの明るい性格もあって、打ち解けて友だちになる。 キアーラは健常者だが、心を閉ざしぎみで学校でもなかな […]

ペーパーボーイ

「ペーパーボーイ」 作:ヴィンス・ヴォーター 訳:原田勝 発行:株式会社岩波書店 ● 1959年、アメリカ南部、テネシー州メンフィス。 吃音に悩む11歳の「ぼく」は、友だちの代わりに1か月新聞配達をすることになった。 そこで「ぼく」はいろいろな人と出会う。 そして「事件」も――。 作者の経験をもとに書かれた、自伝的小説。 したがって作者自身も吃音者である。 登場人物にはそれぞれモデルがあり、 出来 […]