青い目の少女

青い目の少女

「青い目の少女 怪盗ルパン全集8」 原作:ルブラン 文:南洋一郎 発行:株式会社ポプラ社

パリの街並みの中、ルパンは緑の目をもつ美少女に心を奪われる。
ところがその日、偶然遭遇した殺人事件の現場で、ルパンはその少女と再会する。
少女は事件とつながりがあるのか?
いつしかルパンは、不思議な湖に隠された秘宝をめぐる冒険へと足を踏み入れていく…。

(アマゾンHPより)

ネットで(hontoだったかなあ)見かけて、「なんかなつかしいなあ」と思って、
図書館で借りてみました。
ルパンなんて読むの何年ぶりでしょう。

タイトルは「青い目の少女」ですが、実際出てくるのは「緑の目の少女」でして、
最近の版では「緑の目」になっております。

ストーリーは二転三転、謎また謎という感じでこれはおもしろいですわ。
個人的には最初に出てくる「青い目の女」ベークフィールド嬢が、とてもユニークなキャラで
(目の前に走ってきた馬車を力づくでとめて、文句を言う御者を殴り飛ばしたり、カフェでトーストをもりもり食ったりする)
よかったんだけど、なんと!すぐに殺されてしまうんですね!
そしてその殺人事件の現場にいたのがわれらのアルセーヌ・ルパン。
そしてなぜか緑の目の少女が、殺人犯の一人として登場する。
「あの少女が殺人を犯すはずがない」と信じるルパンは、
少女を助け出そうとするのだが……。

こんなにおもしろいとは思わなかった。
子どものころ、「ルパン」は多少読んだくらいだったのだが、
こんなことならもっと読めばよかった。
他の作品も読んでみたくなった。

ちなみに今出ている版は、多少手直しがしてあるらしい。
そんなことしなくても、十分今でも読める内容だと思う。

また「ルパン三世カリオストロの城」の元ネタ本で、確かになるほどというシーンが出てくる。

子どもも、そして大人も読んで楽しい一冊である。

 

“La Demoiselle aux yeux Verts” by Minami Yoichiro(Maurice LEBLANC)(1959)