ふたりのひみつ

ふたりのひみつ

「ふたりのひみつ」 作・絵:I.ボーゲル 訳:掛川恭子 発行:株式会社あかね書房

わたしはかっとなって、思わずどなってしまいました。
「エリカ、あんたなんか、死んじゃえばいいのに!」
――競争心、嫉妬、不安、そして愛……幼い少女の微妙な心の動きを、
鋭く、あざやかなユーモアでとらえ、
ふたごの姉妹エリカとインゲの友情の日々と別離を、
深いやさしさをこめて描いた、胸をうつ物語です。

(カバー見返しより)

初版が1978年(原版が出たのは1976年)で50年近い前の古い本である。
図書館で読むしかない。
なぜこの本を読もうと思ったかというと、
さる古本屋のホームページに「さよならわたしのおにいちゃん」という本が出てて、
あまりにストレートなタイトルに興味を覚え、
いろいろ探ってみたところ、その本の前に「ふたりのひみつ」があってそれは続編らしいと知った。
ではまず「ふたりのひみつ」から読んでみるか、と思ったわけである。

で読んでみて、「女の子って小さい時からめんどくさいなー」ということを思った。
ふたご、というだけでもややこしいのに、
どっちが姉でどっちが妹、だとか、
となりに住む友だちはどっちが好きか、とか、
ま、だいたいお姉ちゃんがいばっていて、妹が割りを食らう、って感じなんだけど。
そのへんの女の子の心理が、妹(が主役なので)の視点で丹念に描かれる。
最後、お姉ちゃんのエリカが急な病で亡くなってしまう。
子どもの本にしてはきつすぎる展開。
それまでの楽しい(?!)毎日はなんだったの!
エリカが亡くなった後のインゲの心理(悲しいだけでない複雑な感情)がこれまたていねいに描かれる。
いい本じゃない!と素直に思う。
こんないい本をなんで残しておかないのか。
今の子どもの現実にはあてはまらない…かなあ。
うーんぼくは今でも十分おもしろい本だと思うんだけどなあ。

というわけで、次は「さよならわたしのおにいちゃん」を読んでみたいと思います。

“MY TWIN SISTER ERIKA” by Ilse=Margret Vogel(1976)