ヒロシマ 消えたかぞく
「ヒロシマ 消えたかぞく」 作:指田和 写真:鈴木六郎 発行:株式会社ポプラ社
●
この本は、鈴木六郎さん一家の楽しい写真集です。
子どもたちの写真がほとんどで、
遊んだりしている様子が生き生きと撮れています。
戦争中とは思えない、
ピクニックや海水浴に出かけたり、
犬や猫を飼ったり、
道路や窓にいたずら書きをしたり。
その平和な日々を吹っ飛ばしたのが、昭和20年8月6日、広島に落とされた原爆でした。
原爆で鈴木さん一家はみな亡くなりました。
もう一度鈴木さんの写真を見てみると、なんともやりきれなくなってきました。
なんでこの人たちが死ななきゃならなかったのか。
なんで原爆を落としたのか。
なんで戦争なんてしてしまったのか。
今さらどうしようもないことですが、
今私たちにできることは、
今の平和が(危うくなってきているかもしれませんが)、
多くの人の犠牲の上に成り立っていることを知ること。
戦争が愚かな行為であることを知ること。
その愚かな行為をしようとすることに反対の声をあげること。
いつまでも平和が続くことをいのって、またこの本のページをめくりたいと思います。
“A Family in Hiroshima – Their Vanished Dreams” by Sashida Kazu (2019)