僕たちは星屑でできている
「僕たちは星屑でできている」 作:マンジ―ト・マン 訳:長友恵子 発行:株式会社岩波書店(STAMP BOOKS)
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高校生のナタリーはドーバー海峡横断泳へのチャレンジを決心する。難民支援の募金活動のためだ。
そのときサミーは、アフリカの独裁国家エリトリアから逃れ、命がけではるかイギリスをめざしていた。
運命のいたずらが痛みを抱えたふたりを結びつける。
そこに希望は生まれるのか。
カーネギー賞最終候補作。
(裏表紙より)
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詩物語ということで、詩のような文体で書かれている。
さらに活字をゴシック体(ナタリー)と明朝体(サミー)と変えることで、どちらの話かわかるようになっている。
自分はしばらくわからなかったけど。
日本にいると難民とか人ごとなんだけど、ヨーロッパでは身近な大問題であるとこの本を読んで痛感した。
サミーの逃亡のくだりは悲惨としか言いようがなく、自分がこんな目にあったらどうしよう、多分すぐ死んでしまうだろうなと思わざるを得ない。
それに比べればまだナタリーは恵まれている…といってもナタリーなりに悲惨だったりして。
そもそもナタリーがドーバーを泳ぐ気になったのは、母の死がきっかけだ。
母は難民支援をしていたのである。
サミーとナタリーが直接会うことはなくて、スマホでやりとりしあうだけっていうのはいかにもである。
ナタリー、今夜、星を見上げて。
僕も見るよ。
きみが見ているのと同じ星を。
僕たちみんな、つながっているんだ。
ぜんぜん違う存在だと思うなんて
バカげてる。
そうじゃない。
僕たちは星から生まれた。
僕たちみんな、同じ星屑でできているんだ。
(363P)
この本が多くの人に読まれるとよいな、と思った。
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