2022年

2/2ページ

アーニャは、きっと来る

「アーニャは、きっと来る」 作:マイケル・モーパーゴ 訳:佐藤見果夢 発行:株式会社評論社 ● 第二次世界大戦中のフランス。 スペインとの国境近い静かな山間部の村が舞台。 羊飼いの少年ジョーは、ある日山の中で見知らぬ人とめぐりあい、ナチスの迫害をのがれたユダヤ人とかかわりを持つことになります。 スペインに逃げようとしている12人の子どもたちを―手を貸すことに賛成の人も反対の人も―村人たち全員がドイ […]

きみが、この本、読んだなら ざわめく教室編

「きみが、この本、読んだなら ざわめく教室編」 作:戸森しるこ おおやなぎちか 赤羽じゅんこ 池田ゆみる 絵:吉田尚令 発行:株式会社さ・え・ら書房   ● 「ねえ、この本、読んでみたら」 こころがざわめいて、どうしようもない。 この気持ち、この本で伝えたい― いつも人形をかかえている、ふしぎな同級生のきみへ 友だちにハブられて学校に行きたくない、妹みたいなきみへ 母さんの思いがつまった […]

秘密のノート

「秘密のノート」 作:ジョー・コットリル 訳:杉田七重 発行:株式会社小学館 ● モノマネが得意な少女の成長物語 クラス一のお調子者ジェリーは、人のモノマネが得意で、いつも先生のモノマネをしてクラスメートを爆笑させていた。 そんなジェリーの悩みは、トドのような太った体型。男の子たちからは毎日のように、からかわれたり悪口を言われたりするが、いつもギャグでかわして、笑い飛ばしていた。 でも、家に帰ると […]

ゆりの木荘の子どもたち

「ゆりの木荘の子どもたち」 作:富安陽子 絵:佐竹美保 発行:株式会社講談社(わくわくライブラリー)   ● ゆりの木荘は、100年以上も前に立てられた立派な洋館。 いまは有料老人ホームになり、サクラさんやモリノさんたち、6人の老人が住んでいます。 春風が吹くある日、サクラさんはだれかが歌う手まり歌──時々聞こえる歌──を耳にします。 モリノさんにいわれるまま、サクラさんがその歌を口ずさ […]

どんぐり喰い

「どんぐり喰い」 作:エルス・ペルフロム 訳:野坂悦子 発行:株式会社福音館書店 ● 主人公の少年クロは貧しい家計を助けるため、学校をやめて働きに出る。 豚やヤギの世話、建築現場の下働き……。 内戦終結からまもないスペイン・アンダルシア地方で、人々は貧しさや社会の不条理に耐えながらも誇り高く生き抜き、 クロもまた、たくましく成長していく。 オランダを代表する児童文学作家エルス・ペルフロムが夫の少年 […]

くさいくさいチーズぼうや&たくさんのおとぼけ話

「くさいくさいチーズぼうや&たくさんのおとぼけ話」 文:ジョン・シェスカ 絵:レイン・スミス 訳:青山南  発行:株式会社ほるぷ出版 ● レイン・スミスの絵本をもう一冊。 この絵本は、いまに伝わる昔話、童話を意地悪く(?)改作して 笑いのめす本です。 ジャックと豆の木、シンデレラとか赤ずきんとか出てきます。 さかさまのページや活字を変えたページ、真っ白なページなど、 見てくれのおもしろさを追求して […]

このいえも むかしは

「このいえも むかしは」 文:ジュリー・フォリアーノ 絵:レイン・スミス 訳:青山南  発行:BL出版株式会社 ● 絵本は絵が命、かなと思うんですが。 この本も、お話はなんていうこともないお話で、 古い家を、子どもたちが探検する、 むかしこの家はだれが住んでどういうことをしていたのだろうと想像する、 そんな絵本です。 レイン・スミスの絵がすばらしいですね。 どうやって描いたんだろう? 点描というか […]

赤い糸でむすばれた姉妹

「赤い糸でむすばれた姉妹」 作:キャロル・アントワネット・ピーコック 訳:日当陽子 発行:株式会社フレーベル館 ● 「国際養子縁組」なんてことがあるとは。今回初めて知った。 特に中国からアメリカへ、というのが多いらしい。 ピークの2005年には約7900人が中国からアメリカへ渡ったそうだ。 中国の「一人っ子政策」も影響しているそうだ。 この物語は、中国からアメリカへ渡った少女ウェンと施設に残った少 […]

縄文の狼

「縄文の狼」 作:今井恭子 絵:岩本ゼロゴ 発行:株式会社くもん出版   ● 狼と人とは住む世界が違った。父さんたちが、こえてはならぬ一線をあえてこえたのは…。 赤ん坊のころ狼にさらわれ、狼とともに育った少年キセキ。 1万年以上前の縄文時代に繰り広げられる、少年と狼たちの絆と進化の物語。 (hontoより) ● 「こんぴら狗」を書いた今井さんが、なんと縄文時代を舞台に、 狼少年(というに […]

物語のものがたり

「物語のものがたり」 作:梨木香歩 発行:株式会社岩波書店 ● 梨木さんの小説は読んだことがありませんが、この書評集を読むことができました。 メインは「『秘密の花園』ノート」で、これが本の半分を占め、 のこりが文庫の解説や対談などです。 すごいなあ、と思ったのはやはり「『秘密の花園』ノート」で、 「この作品の醍醐味は、実は読書中に見つける細部にある」 とおっしゃっているとおり、細かいところをとりあ […]