朝顔のハガキ
「朝顔のハガキ 夏休み、ぼくは「ハガキの人」に会いに行った」 作:山下みゆき 絵:ゆの 発行:株式会社 朝日学生新聞社
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夕鶴ルール? 河童の仕事?「お、俺、何も言いませんから……」
少年2人の、ちょっとホラーな夏休み
ばあちゃんの家で暮らす小学6年生の誠矢。
夏になると毎年かならず届く、謎の「絵ハガキ」の送り主に会うために、この夏、ついに冒険の旅に出る。
誠矢の計画をなぜか邪魔するばあちゃんを振り切って、同級生の梶野くんや母さんの協力で無事に送り主の元へたどり着く誠矢だったがーー。
そこで、思いもよらない人物との出会いが待っていた。
第10回朝日学生新聞社児童文学賞受賞作。
2019年10月~12月 朝日小学生新聞にて連載後、書籍化。
(朝日学生新聞社ホームページより)
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そうかー、この話「ホラー」だったのかー。
それなら、この妙な展開も納得できるか。
自分はけっこうリアルな話だと思ってたんだけどね。
よく考えたら、ばあちゃんも、お母さんも、そして誠矢も。なんか変わってる。
変わった人だから、変わった人や、変わった事件を呼び込むんだな。
物語は、誠矢の語りと。梶野君の語りと、二方向で進んでいく。
自分は誠矢の部分をもっと掘り下げていって、梶野君のエピソードはなしにしたほうがいいんじゃないかと思ったんだ。
でも「ホラー」なら冷静に事件をとらえる梶野君は必要なんだな。
どこが「ホラー」かっていうのは言うとおもしろくなくなるんでないしょですが…。
まあその「ホラー事件」がきっかけで、誠矢と、ひきこもってるお兄さんとが和解することになるんだわ。
うーん。
でも別にホラーにしなくてもよかったんじゃないかな。
田舎で成長した誠矢が、兄も「こっちへおいでよ」って呼び掛ける…だけじゃあだめなのかな。
まあおもしろく読んだことは確かなんだけど。
ちょっとひっかかりも感じる本だったな。
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