ゆりの木荘の子どもたち
「ゆりの木荘の子どもたち」 作:富安陽子 絵:佐竹美保 発行:株式会社講談社(わくわくライブラリー)
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ゆりの木荘は、100年以上も前に立てられた立派な洋館。
いまは有料老人ホームになり、サクラさんやモリノさんたち、6人の老人が住んでいます。
春風が吹くある日、サクラさんはだれかが歌う手まり歌──時々聞こえる歌──を耳にします。
モリノさんにいわれるまま、サクラさんがその歌を口ずさんでみると、ふたりは突然、子どもになってしまいました。
そう、87歳のおばあさんではなく、10歳ばかりの女の子に……。
それは、77年前の約束のために、「あの子」がサクラさんたちを呼び寄せたからでした……。
(Amazonより)
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まあ、お話としては、あらすじにある通り。
「魔法」でおばあちゃんたちが77年前にタイムスリップする。
ただ10歳になっても心はおばあちゃんのまま、というのがこの話のミソ。
10歳の時にした約束を「思い出す」というわけ。
まあファンタジーにありがちな「だからなんなのさ」とつっこみたくなる感じ。
お年寄りが過去をなつかしむ話の変形のような感じ。
子どもが読んでおもしろいと思うだろうか?
なんでお年寄りを主人公にしたのか?
そのあたりがぼくはよくわからなかった。
ただ1章1章が短いので、話がテンポよく進んでいくことはよい。
(なんでも新聞に連載していたそうだ)
変なことを考えなければそれなりに楽しめる本ではある。
なんか「感想文をこの本で書いた」なんてあったけど、どんなことを書いたんだろう?
読んでみたいな。
見方を変えれば大人のための子どもの本、ということなのかな。
よかったらどうぞ。
“Yurinokisou no Kodomotachi” by Tomiyasu Youko(2020)