赤い糸でむすばれた姉妹

赤い糸でむすばれた姉妹

「赤い糸でむすばれた姉妹」 作:キャロル・アントワネット・ピーコック 訳:日当陽子 発行:株式会社フレーベル館

「国際養子縁組」なんてことがあるとは。今回初めて知った。
特に中国からアメリカへ、というのが多いらしい。
ピークの2005年には約7900人が中国からアメリカへ渡ったそうだ。
中国の「一人っ子政策」も影響しているそうだ。
この物語は、中国からアメリカへ渡った少女ウェンと施設に残った少女シューリンの友情物語。

5歳の時、親に捨てられて施設に入ったウェン。
その時から同じ部屋のシューリンと姉妹同然の生活をしてきた。
そのウェンがアメリカの養親のもとへ出発する。
ウェンはシューリンの養親を探す約束をする。
アメリカでの生活、とりわけ養母となじめないウェン。
それでも学校に通い出し、すこしづつアメリカの生活になじんでくる。
ウェンは養父母に、シューリンを養子にしてくれるよう頼むのだが…。

作者自身が国際養子縁組で中国からふたりの子どもを養子にむかえており、
そのことがこの本を書くきっかけになったそうである。

家族とはなにか、ということを考えるきっかけとしたい作品である。

 

“Red Thread Sisters” by Carol Antoinette Peacock(2012)