戦国姫―武田の姫君たち―

戦国姫―武田の姫君たち―

「戦国姫―武田の姫君たち―」 作:藤咲あゆな 絵:マルイノ 発行:株式会社集英社(集英社みらい文庫)

突出した才能で甲斐国を統一した信虎、〝甲斐の虎〟と謳われた名将・信玄、武田氏最後の当主となった勝頼。
領土拡大を狙い戦に明け暮れる武田の男たちに、一族の姫は翻弄される…。
信虎の正室・大井の方、信玄の正室・三条の方、信玄の側室・諏訪御寮人、信玄の末娘・菊、勝頼の継室・北条夫人、
5人の姫たちの悲哀に満ちた物語。

(集英社みらい文庫HPより)

わー!今どきの子ども文庫!てゆうか少女文庫か?!
女の子こんな本読んでるのか?!「歴女」ってやつ?

ってことで、題名にひかれて手にしたものの、表紙はバリバリの少女漫画調。
ちょっとはずかしい。
それでも読んでみると、内容は姫様の苦難に満ちた生涯をシリアスにえがいたものでありました。
子どもたちに理解しやすいよう配慮されている…といってもそこは歴史もの、けっこうむずかしい部分もあります。
「夜の営み」なんて、いやあね、あんたもすみにおけないね――なんて言葉まで出てまいります。
そんなわけで、大人が読んでもかなりおもしろい。
多分、姫たちの生きざまの記録はあまり残っていないだろうから、藤咲さんの腕の見せどころで、
姫の生涯がわかりやすく描かれております。
どの姫も、武将の事情、お家の事情で運命が左右されるところが気の毒ですが、
それでも戦国の世を力強く生きてゆくように描かれているところは、現代的解釈なのだろうと思います。

ちなみに「戦国姫」のシリーズは人気があるようで、10冊以上でております。
大人も楽しめる「戦国姫」シリーズ、一度手に取ってみてはいかがでしょうか。

 

“Sengoku Hime Takeda no Himegimi Tachi” by Fujisaki Ayuna & Maruino(2021)