拝啓パンクスノットデッドさま
「拝啓パンクスノットデッドさま」 作:石川宏千花 発行:株式会社くもん出版
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――すべての若き読者どもに送る、「音楽×青春」小説!――
高校1年生の晴己は、中学2年生の弟・右哉と多摩地区のはずれのはずれにある古アパートで暮らしている。
たまにしか帰ってこない母親の代わりに、アルバイトで生活費を稼ぎ、弟との生活を回していく晴己。
お金も、時間も足りなければ、明日だってくるかどうかわからない。
そんなギリギリの生活をおくる兄弟には、
親代わりになって二人を世話してくれた母親の友人、しんちゃんから教わった、心の支えとなる音楽・パンクロックと、
「いつか兄弟でバンドを組む」という夢があった……
人気作家・石川宏千花先生が、長年あたためてきた物語である本書は、自分の居場所に悩む若い読者に、力強いエールを贈る物語です。
(くもん出版ホームページより)
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すみません、パンクわかりません。
音楽はクラシックを聴いてます…
ということなんですが、石川先生はパンク相当お好きなんでしょう。パンク愛にあふれた物語です。
バンド名、曲名、随所に出てきます。
読む人が読めば、きっと「音」が感じられることでしょう。
物語は、「バンドをやりたい」が主ですけど、合間に「兄弟二人の貧しい生活」とか「晴己の高校生活」とか入ってまいります。
兄弟二人の暮らし、って下手すりゃ施設行きか、なんておもっちゃいますけどね。
晴己が高校生なんでセーフ?本人は中学出たら就職するつもりだったのが、ほとんどいない母親が「高校ぐらい出とかないと」という
鶴の一声で高校へ行くことになったんだけど。
その代わり毎日(?だったか?)バイト行くってことだわ。
とにかくギリギリの生活で、最後の望みがパンクということです。
石川先生らしく、各登場人物の心理を丹念に描いております。
だからパンクわからなくても十分楽しめる一冊だと思いました。
ちなみにわたくしYoutubeで《アイ・フォウト・ザ・ロウ》と《シーナ・イズ・ア・パンクロッカー》を見ました!
パンクもけっこういいもんです。
本もおもしろいのでおすすめですよ。
※ちなみに、この本について「絵本ナビ」というサイトに石川先生と書店員・兼森さんの対談が載っていました。読んでみて。
→https://www.ehonnavi.net/specialcontents/contents_old.asp?id=464
“DEAR MR.PUNKS NOT DEAD” by Ishikawa Hirochika(2020)