金の鍵
「金の鍵」 作:ジョージ・マクドナルド 訳:脇明子 絵:モーリス・センダック 発行:株式会社岩波書店
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「かるいお姫さま」と同様、センダックの絵で彩られたマクドナルドシリーズです。
虹のはしっこにあるという金の鍵を見つけた少年が、少女とともに不思議な国を鍵穴を求めて旅する、というのがおおざっぱなお話。
もっとも少年より少女の方が中心の話ですが。
妖精の国の物語、ということなのか、いろいろ不思議な世界です。
影の海、とか海の老人、とか不思議な図形、とか。
現実とはかけ離れていますので、そこに引っかかるとこの話にはついていけなくなります。
「ぼくたち、いったいどこからこの影たちがやってくるのか、なんとしても見つけなくちゃ」
「ひょっとして、あなたの金の鍵がそこへはいる鍵だったら?」
「かるいお姫さま」もそうでしたが、テーマがどうとか、主人公の生きざまがどうとか、
そういうのはなしで、お話や描かれる世界を楽しむ本だと思います。
お話の流れに身をゆだねる、という感じ。
こういう本もあっていいと思います。
子どもたちはこの本を読んで、「変わってるな」「妙な話だな」とか思う。
まさにそこがこの本のねらいなのだろうと。
これこそ現実を離れ夢に遊ぶファンタジーの世界。
マクドナルドならではの世界なのだと思いました。
“THE GOLDEN KEY” by George MacDonald(1867)
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