火狩りの王<一>春ノ火
「火狩りの王<一>春ノ火」 作:日向理恵子 絵:山田章博 発行:株式会社ほるぷ出版
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人類最終戦争後の世界。大地は炎魔(えんま)が闊歩(かっぽ)する黒い森におおわれ、
人々は結界に守られた土地で細々と暮らしていた。
最終戦争前に開発・使用された人体発火病原体(じんたいはっかびょうげんたい)によって、
この時代の人間は、傍で天然の火が燃焼すると、
内側から発火して燃え上がってしまう。
この世界で人が安全に使用できる唯一の〈火〉は、森に棲すむ炎魔から採れる。
火を狩ることを生業なりわいとする火狩りたちの間で、あるうわさがささやかれていた。
「最終戦争前に打ち上げられ、永らく虚空こくうを彷徨さまよっていた
人工の星、〈揺(ゆ)るる火(ほ)〉が、帰ってくる――」と。
“千年彗星〈揺(ゆ)るる火(ほ)〉を狩った火狩(ひか)りは、火狩りの王と呼ばれるだろう”
紙漉(かみすき)の村に生まれ、禁じられた森に入って
炎魔に襲われたところを、火狩りに助けられた灯子(とうこ)。
首都に生まれ、母を工場毒で失い、幼い妹を抱えた煌四(こうし)は
“燠火(おきび)の家”に身を寄せることを決意する。
灯子と煌四、二人の生き様が交差するとき、あらたな運命が動きだす――
(「火狩りの王」ホームページより)
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「あらすじ」をホームページからコピペしてしまいましたが、
設定が少々ややこしく、よう説明できませんでしたので、
ちょうどいいあらすじがあったので、引用させていただきました。
物語は、灯子のパートと煌四のパートに分かれており、
ふたりが遭遇する事件から、物語の世界がつまびらかになっていくという構成です。
「火」の設定などちょっとSFっぽいかんじもしました。
結構分厚い(407ページある)ので読むのには苦労しました。
最初のうち、この物語の世界が見えてこなかったんですね。
ちょっと慣れるまでに時間がかかりました。
半分くらいでようやくペースをつかんだ感じです。
で、これから、というところで「二巻につづく」でしょ。
まいったねこりゃ。
続きが気になるね。
完結しているようなので、自分的には次々と読んでいくだけだね。
まあおもしろいんだけど、これって児童文学かな?
人が死んだりするし、ちょっと子供向きじゃないところがある。
まあ主人公は子どもなんだけど。
中学生以上向きか?
でも小学生も読むか。
まあいいか、そんなことは。
とにかく大人が読んでおもしろい本だとはいえる。
大人も子どもも、心してお読みください。
“Hikari no Oh 1” by Hinata Rieko(2018)