サイモン VS 人類平等化計画

サイモン VS 人類平等化計画

「サイモン VS 人類平等化計画」 作:ベッキー・アルバータリ 訳:三辺律子 発行:株式会社岩波書店

「STAMP BOOKS」の一冊。
サイモンはごく普通の高校生…だが、ゲイであるという秘密を持っている。
ネットで知り合った「ブルー」に恋愛感情を持っている。
(もちろんブルーもゲイだ)
ブルーは同じ学校の生徒なのは確かなのだが、だれだかわからない。
物語は、「ゲイであることをいつカミングアウトするか」と「ブルーはだれなのか」
という2つの主題でひっぱられていく。

だいぶ認められてきているとはいえ、アメリカでも「ゲイ」は「普通じゃない」とみられるようだ。
ぼくはノーマル(「ストレート」)なので、男を好きになる気持ちは申し訳ないがわからない。
本編では男の子同士のキスシーンとか出てくる。
うーん、ちょっとキモイな。

まあ、そういうところをのぞけば、さわやかな青春小説なんだけどね。
アメリカの高校生活ってこんな風なんだ、って読めばおおむね楽しく読める。
男の子と女の子の友情、もサイモンの場合ありなのである。(そんなところも出てくる)
サイモンが「いいやつ」に描かれていることは好感が持てる。
タイトルの「人類平等化計画」は、「ゲイ平等化計画」という運動をもじってサイモンが提唱したもの。
「ゲイの権利って別に特別なもんじゃなくて、つまりは人間の権利となにも変わらない」。
ゲイであることをカミングアウトしなければならない、なんてことなら、人間それぞれにカミングアウトすべきことがあるだろう、
という主張だ。
同性愛も異性愛も人間らしい心のありようだ。
偏見を持たないようにしようってことなんだと思う。

若い人の感想を聞いてみたいものですね。
なんかいいかげんな感想ですみません。

 

“SIMON VS. THE HOMO SAPIENS AGENDA” by Becky Albertalli(2015)