レイミー・ナイチンゲール
「レイミー・ナイチンゲール」 作:ケイト・ディカミロ 訳:長友恵子 発行:株式会社岩波書店
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10歳のレイミーは美少女コンテストで優勝することを目指しています。
出て行ってしまった父親が、それを知って家に戻ってくることを望んでいるのです。
コンテストの特技にしようと習い始めたバトントワリングの教室で、レイミーはルイジアナとベバリーに出会います。
二人も父親がいない(ルイジアナは母もいない)家庭の子たちです。
レイミーは「よいおこない」をするためにナイチンゲールの伝記の本を持って老人ホームへ出かけるのですが…?
三人の女の子たち(「三勇士」!)がくりひろげる珍騒動、といったところでしょうか。
でもその根底には、お父さんがいなくなったことに対するさびしさがあるのです。
レイミーの特技にライフセービングがあって、
おぼれたルイジアナを助けるところが出てきます。
無事ルイジアナを救い出し、連れて行った病院で、
レイミーは看護師さんにお父さんがかけおちをして出ていったことを話し始めます。
自分の悩みをはじめて他の人に聞いてもらったのでした。
作者のケイトさんもまた、小さいころに父親と別れたのだそうです。
だから。「レイミーの物語は、架空ですが、わたしの心の物語そのものです」なのだそうです。
なんでも美少女コンテストにも出たことがあるとか。
よい友だちにめぐまれて、「この世界が美しいと知りました」。
この物語は、レイミーたちの内面をじっくり描く、というよりは、
次々起こる事件や、レイミーたちの行動を通して、レイミーたちの友情や心情を
さりげなく描いてゆく、という感じです。
日本の読者にとっては、起こる事件がうそっぽく感じられる部分もありますが、
(深夜に忍び込みをしたりするのはまずい感じもします)
まあおおむね楽しく読める一冊だとは思いました。
“RAYMIE NIGHTINGALE” by Kate DiCamillo(2016)
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