谷川俊太郎詩集 たったいま
「谷川俊太郎詩集 たったいま」 詩:谷川俊太郎 絵:広瀬弦 発行:株式会社講談社(講談社青い鳥文庫)
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いるかいるか
いないかいるか
いないいないいるか
いつならいるか
よるならいるか
またきてみるか
(「いるか」より)
何かがなくなっている
何かが
わたしに
なくなっている
なくてはならない何か
ないはずはない何か
いつなくなったのか
どこでなくなったのか
わたしになくなっている
何か
(「何か」より)
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「青い鳥文庫はじめての詩集です」
とのことですが、
そういえば「青い鳥文庫」を取り上げるのははじめてじゃないかな?
「子どもの本」の一角に青い鳥文庫は確固たる地位を築いている。
その文庫をとりあげていなかったとは!
というわけで谷川俊太郎さんの詩集です。
必ずしも子供向けじゃない詩もある…かな?
うーん。
まあおおむね子どもが理解できる内容の詩です。
なにしろ「小学中級から」の本なので。
ぼくは、「いるか」みたいな言葉遊びの詩が好きだけど、
人生とか考えさせてくれる詩も、とてもいいと思いました。
何かなくしてしまった、何をなくしてしまったのか。
うーん。
深く考えなくても、
子どものころ持っていて、
いまはもうないものが
いろいろあるように思います。
大人のみなさんはこの本を読んで、なくしたものがなんなのか
考えてみるといいんじゃないかと。
子どもたちは、今持っているみずみずしさをなくさないように、
がんばってほしいと思います。
なかなか考えさせられる詩集です。
じっくり味わってね。
“Tanikawa Syuntaro Sisyu Tattaima” by Tanikawa Syuntaro(2019)