ネバームーア モリガン・クロウの挑戦
「ネバームーア モリガン・クロウの挑戦」 作:ジェシカ・タウンゼント 訳:田辺千幸 発行:株式会社早川書房
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モリガン・クロウは<闇宵時>と呼ばれる「呪われた日」に生まれた女の子。
よくないことはすべて彼女のせいとなり、家族からも疎まれ、恐れられている。
まもなく次の<闇宵時>が来て、モリガンは死ぬことになっていた。
まだ11歳なのに…。
そんなモリガンを救うべく、<ネバームーア>という国からやってきたジュピター。
彼はモリガンを殺そうとする<煙と影のハンター>から救い出し、ネバームーアへ連れ帰る。
しかし、密入国の身分のモリガンがネバームーアにとどまるためには、
<輝かしき結社(ワンダラス・ソサエティ)>という団体に入会しなければならなかった。
そのためにモリガンは、次々とたちはだかる試験を合格しなければならない。
3つの試験を何とか勝ち進んだモリガンは、最後の<特技披露審査>にのぞむのだが、
後援者たるジュピターが姿を現さない…。
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「早川書房」ってあんまり児童書のイメージがないけど、
ホームページなんか見ると、けっこう児童書も出している。
この本は主人公が11歳だし、漢字に丹念にルビがふってあるので、小学生でも読める…とは思うが、
けっこう内容的には中学生以上向きかな?と思った。
架空の世界の物語、ファンタジー、といえるだろう。
言葉をしゃべり、乗ることができるほど大きな猫や、ビルの上から傘を使って落下する、とか「燃える試験問題」
とか。
それでも「魔法」的なものは比較的少なく、(うーん、そうでもないか?)モリガンの行動や心情を中心に物語が進行していく。
そして最後には「ああ、そうだったのか」という謎解きの答えもあらわれる。
最初は、この本の世界が理解できず、読むのに苦戦したが、だんだんネバームーアの世界になじんでくるにつれて
読みやすくなってきた。
まだ、ネバームーアの全貌は明らかになっておらず、今後のシリーズで語られてくるのでは?とのことである。
モリガンの性格が、それまで「呪われた子供」とみんなから白い目で見られてきた人とは思えない良さだな、
と思わんでもないが、
ともあれ楽しく読ませてもらいました。
続編も楽しみに待ちたいと思います。
“NEVERMOOR The Trials of Morrigan Crow” by Jessica Townsend(2018)
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