明日をさがす旅 故郷を追われた子どもたち

明日をさがす旅 故郷を追われた子どもたち

「明日をさがす旅 故郷を追われた子どもたち」 作:アラン・グラッツ 訳:さくまゆみこ 発行:株式会社福音館書店

1939年、ナチスの迫害をのがれるため、ユダヤ人の少年ヨーゼフは家族とともにキューバを目指す。

1994年、イサベルは家族とともに経済危機に陥ったキューバを脱出してアメリカに手製ボートで向かう。

2015年、内戦がつづくシリアを脱出してヨーロッパへ向かうマフムード一家。

三者三様の脱出劇が、最後に一つになったとき(いやなってないか?)…新たな希望の光が差してくる。
(まあ、最後はハッピーエンドなんだな)

世界各地で、さまざまな時代に、「難民」が生まれています。
政治体制の混乱、国内紛争や他国との戦争、経済危機、多様な原因から、
人々は故郷を捨てて他国へ逃れていきます。
本当は故郷がいいに決まってる。
でもこのままでは生きていけない。
だから脱出するしかないのです。
力のない一般市民はそうするよりほかないのです。
気の毒だ、と軽く流してしまうことは簡単です。
もしかしたら、自分たちにも起こりうる話では…。
日本でそれはないだろうと、
そうは思いますが。
未来のことはわかりません。

ただ日本が難民を受け入れることはあるかもしれない。
今はほとんど受け入れてません。
もっと受け入れてしかるべき、とは思いますが、
しかし簡単なことでないことも理解できます。
むずかしい…。
そういうむずかしいことを考えるとっかかりに、
この本がなればいいんだと思います。

それにしてもこの本の装丁、なんとかならんでしょうか。
パッとしないですねえ。
福音館さん、なんとかしましょうよ。

“REFUGEE” by Alan Gratz(2017)