ぼくがいちばんききたいことは

ぼくがいちばんききたいことは

「ぼくがいちばんききたいことは」 作:アヴィ 訳:青山南 発行:株式会社ほるぷ出版

両親が離婚し、現在は母親と(そのボーイフレンドと)暮らすデイモン。
だがもう我慢の限界だ。これからは父親と暮らす。もともと住んでいた家で。
っとばかりに父親の家に帰ったデイモンだったが…予想外の展開が待っていた。(『家に帰る』)

元先生の博識のおじいちゃんに誘われていやいやながら、リコーダーの教室におじいちゃんと二人で入ったマルコ。
ところがおじいちゃんはリコーダーがおそろしく下手で、反対にマルコはめきめき上達していく…。(『アマルフィ・デュオ』)

ビリーの夢は地元の自転車レースで優勝すること。
でも母一人子一人の我が家には自転車がなかった。
そんなビリーの誕生日、ママが中古の自転車をプレゼントしてくれたのだ。
これで優勝はもらった、と意気込むビリー。
ところが…その自転車が盗まれてしまった!(『キッチンテーブル』)

などなど7つのお話からなる短編集です。

どれもなかなかおもしろかった。
どの話も家族の物語です。
おかあさん、おとうさん、おじいちゃん、それと子ども。
大人と子どもの関係がテーマです。
舞台はアメリカ、なのでアメリカの今の問題――離婚だとか、親子の断絶だとか、
そんなことが出てきます。
それでも最後は、家族の絆、が問題を解決してくれたりします。
家族問題は、言うまでもなく世界共通の問題。
アメリカの家族から学ぶことも多いと思います。
あと、アメリカ独特の生活シーンが出てくるので、日本とちがうところを
知ることができます。

ぜひ、ご一読ください。

“THE MOST IMPORTANT THING” by Avi(2016)