シャイローがきた夏

シャイローがきた夏

「シャイローがきた夏」 作:フィリス・レイノルズ・ネイラー 絵:岡本順 訳:さくまゆみこ 発行:株式会社あすなろ書房

散歩の途中で、ぼく(マーティ)は子犬のビーグル犬と出会った。
「おいで」と言っても近寄ってこないが、どこまでもついてくる。
やせて、たぶん虐待されている犬ではないかと思われた。
思い立って口笛を吹いてみると、「まるで魔法のボタンを押したみたいに」子犬は突進してきた。
訓練されている犬。
犬は家までついてきた。
ぼくはその犬を家でなんとか飼えないかと思い始めていた。
だが、犬の飼い主は難儀な男、ジャド・トラバーズだった。
ぼくはその犬に名前をつけた(ジャドは名前をつけないので)。シャイロー村の犬だから「シャイロー」だ。
シャイローは夢の中にまで出てきた…。

豊かな自然の中で、少年と子犬との交流が描かれる一冊です。
久しぶりに児童文学らしい作品でした。
マーティの視点で、シャイローへの愛情が丹念に描かれていきます。
というか、その愛情が並々ならぬもの、ちょっとあぶないくらいかなと思わせる展開になります。
どうしてそこまで犬を好きになるのか。
友だちもいるのになあ。
山の暮らし?なので動物とのつきあいが割と身近なのかな。
「獣医になりたい」って言ってるくらいなんで、動物は相当好きなんだね。
人と動物のつきあいかたを考えるにはいい本かも。

ニューベリー賞をとった本です。おすすめ。

“SHILOH” by Phyllis Reynolds Naylor(1991)