手紙 ふたりの奇跡

手紙 ふたりの奇跡

「手紙 ふたりの奇跡」 作:福田隆浩 発行:株式会社講談社

長崎市の小学6年生吉野耕治は、秋田市の清水穂乃香という同じ小6の子の手紙を受け取った。
全然知らない子の手紙。
自分が優秀賞をとった作文を見て、手紙を出したのだという。
内容は、彼女のお母さんの秘密を探ること。
お母さんが、長崎へ修学旅行へ行ったときに起きた、「奇跡のような出来事」はなんだったのか
調べてほしい、ということだった。
興味を持った耕治は、調査を(?!)はじめる。
そうして、意外な結末が…。

文通形式で、二人の書く手紙がお話を進めていきます。
ミステリータッチとでもいうんでしょうか、謎がお話を引っ張っていきます。
その中から、穂乃香の死んだお母さんへの思いであるとか、耕治のおじいさんへの思いなど、
お互いの悩みや葛藤が素直に描かれていきます。
まあ、小学生がここまで文章を上手に書けるとは思いませんが、
読後感はさわやかな感じです。
謎もきちんと解決します。
いちおう小学生向けなんでしょうが、
大人でも楽しめると思います。

“Tegami Futari no Kiseki” by Takahiro Fukuda(2019)