昔はおれと同い年だった田中さんとの友情

昔はおれと同い年だった田中さんとの友情

「昔はおれと同い年だった田中さんとの友情」 作:椰月美智子 絵:早川世詩男 発行:株式会社小峰書店

小学6年の拓人、忍、宇太佳の3人組は、
いつもみどり公園でスケボーを楽しんでいた。
ところが、みどり公園が突然「スケボー禁止」になってしまった。
拓人は、花林神社の前の通りが、車も来ないしできそうだと提案する。
しかし神社には、管理のおじいさんがいる。
案の定、3人がスケボーをやっているとおじいさん=田中さんがあらわれた。
意外にも、スケボーに興味津々の田中さんは、拓人のスケボーに乗ったのだが、
スケボーが動いたはずみですっころんでしまい、右手を骨折してしまった。
3人は田中さんの骨折が治るまで、田中さんの世話をすることを約束させられる。
いやいや始めたお世話だったが、田中さんの優しい人柄に触れて、
拓人たちは田中さんの家に通うことが楽しくなってくる。
ある日、田中さんから戦争の話を聞いた3人は、「この話をみんなに聞いてもらおう」と考えた――

「毎日小学生新聞」連載の単行本化作品です。
椰月さんの本を読むのは初めてでしょうか。
元気のよい小学生が活躍する、楽しい本です。
戦争うんぬんはそんなに重きをおかず、
拓人と田中さんの交流が物語の中心です。
あまりむずかしいことを言わず、
楽しく読めばいいのではないかと思います。
そういう意味で、小学生におすすめですね。
大人も、ところどころ吹きだすところなんかあったりして、
おもしろく読めると思います。

“Mukashi wa Ore to Onaidoshi Datta Tanaka-san tono Yujyou” by Michiko Yazuki(2019)