夏に降る雪

夏に降る雪

「夏に降る雪」 作:あんずゆき 絵:佐藤真紀子 発行:株式会社フレーベル館

おとうさんの会社が倒産して、大河は東京から、おかあさんの実家がある長崎県佐世保市に引っ越してきた。
新しい学校になじめない大河。
そんな大河が、小学生の演劇に参加することになる。
しかも主役。
大河は次々と降りかかる試練をどう乗り越えていくのか?
春から夏へ、少年の挑戦がはじまった…。

長崎県佐世保市には「無窮洞」という、第二次大戦中に子どもたちによって掘られた防空壕があります。
(これはホント)
「夏に降る雪」は、無窮洞を掘る子どもたちのすがたを描いた演劇です。
(これは多分フィクション)
大河たちは、戦争時代を生きる子どもたちを演じます。
友だちもいなかった大河でしたが、演劇で友だちもできて、
少しづつ考え方が前向きに変わっていきます。
そして、自分の演じる少年の境遇、戦争のことなどについて考えるようになっていきます。

「戦争が終わって、ぼくたちは暗くてつらい日々から自由になった。
この光はぼくたちそのもの。
ぼくたちもこれからは、この光のように自分らしくかがやいて生きていくんだ」

防空壕で、雪のように光がさしてきて、上の大河のセリフが入ります。
「自分らしく」というのが(ちょっと今っぽいですが)いいと思いました。
子どもたちよ、みんなで力を合わせて、つらいことも乗り切っていこう、ってことですね。
それには、自分の殻に閉じこもらず、自分からアクションを起こしていかなければならない、
ということだと思います。
悩んでいる人も多いと思います。
少しづつやっていきましょう。

“Natsu ni Furu Yuki” by ANZU Yuki(2019)