縞模様のパジャマの少年

縞模様のパジャマの少年

「縞模様のパジャマの少年」 作:ジョン・ボイン 訳:千葉茂樹 発行:株式会社岩波書店

第二次世界大戦中の物語。
ベルリンで軍人の息子として何不自由なく暮らしていた少年ブルーノは、
父の転勤(?)で見知らぬ土地へ引っ越した。
(そこは後にポーランドだとわかる)
近くに、他に住む人はなく、友だちがいなくてさみしい思いをするブルーノ。
部屋の窓からは、怪しげな縞模様のパジャマを着た人たちが暮らしているキャンプ(?とは書いてなかったが)が見える。
キャンプの周りは高いフェンスで囲われ、パジャマの人たちは完全に閉じ込められている。
意を決して、「探検」に出かけたブルーノは、フェンスの中の少年シュムエルとなかよくなる。
やがて、フェンスの中が「収容所」と呼ばれ、ユダヤ人がそこに押し込められていることを知るブルーノ。
収容所の意味が分からず、フェンスの中と外でシュムエルと会うことを続ける。
そしてブルーノはベルリンへ戻ることになり、シュムエルとの別れの時がきたのだが…。

夏休みは、戦争に関する本を読んで、戦争と平和について考えています。

(読んだの夏だったんですハハハ…)

で、この本なんですが。
以前読書感想文コンクールの課題図書だったようですね。

ネタバレはやめようと思うんで、あまり内容に踏み込みませんが、
とにかくラストは衝撃ですね。
ひどいです。
そりゃないよ。

もっとも…前提となる、収容所の中の子と友だちになるのって、むりじゃね?
多分フェンスは頑丈で、なおかつ外からは中が見えなくしているんじゃないか?
それじゃフェンスの中と外で話をするなんてありえないぞ。
ちょっとこれは調べてみにゃいかんか。
収容所の様子を書いた本なんてきっとあるよね。

まあつまりリアリズムに欠けているわけだ。
そこで「おかしい」となると、この物語全部が「おかしい」と思うことになる。
これはこの本の大きなマイナス点だと思う。

まあ面白く読んだことは確かであるが。
うーん、まあ一読の価値はある、と思う。
これは大人がまず読んで、子どもに説明してやるといいかな。
そうすると、ユダヤ人収容所のこととか、ユダヤ人迫害のこととか、
大人が知識を持っていないといかんね。
なんかめんどくさい本だな。
みなさんがんばってお勉強しましょう。
ぼくもお勉強したいと思います。

“THE BOY IN THE STRIPED PYJAMAS” by John Boyne(2006)