これから戦場に向かいます
- 2019.08.14
- 児童書・日本
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「これから戦場に向かいます」 写真と文:山本美香 発行:株式会社ポプラ社
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山本美香さんは、世界の戦場を取材してテレビや新聞、雑誌で報道するジャーナリスト、でした。
亡くなられてもう7年になります。
以前「戦場を取材する」という彼女の本を読ませていただいて、
とてもよかったので、他の本も読んでみないかんな、と思いながら
なかなか果たせず、今回比較的最近出た本であるこの本を手にいたしました。
写真絵本であります。
文も写真も、既存の本から取られたもののようです。
そういう意味では寄せ集め的な感じ、二番煎じ的な感じは否めませんが、
それでも写真は大きいですし、見るものに迫ってくるものはあります。
一番印象に残った写真は、両足を失った2人の少年の写真。
「牛の世話をしながら遊んでいたら、ものすごい音がして、あとのことは覚えていない」
地雷を踏んでしまったのでしょうか。
結局弱いものが犠牲になる、それが戦争なんでしょうか。
みなさん引用していますが、わたしも本文から引用させていただきます。
「力でねじふせるやり方は、
即効性があって、
表面的には効果があるように見える。
しかし、
人間の心にきざみこまれた憎しみは、
何かのひょうしに爆発し、
暴走するだろう。」
なぜ、自分の思い通りにならないと暴力でねじふせようとするのか。
そもそもなぜ思い通りにさせようとするのか。
戦争なんてばかげています。
人殺しを正当化するなんて、なんとおそろしいことでしょう。
山本さんは戦場の真っただ中で、それでも生きている人びとに感動して、
報道を続けた人です。
いまさらですがご冥福をお祈りいたします。
“Korekara Senjyo ni Mukaimasu” by Mika Yamamoto(2016)
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