大渋滞
- 2019.07.15
- 児童書・日本
- 児童書 本 子どもの本
「大渋滞」 作:いとうみく 絵:いつか 発行:株式会社PHP研究所
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離婚を決めたパパとママ。二人とともに、車で名古屋に向かう主人公・麦と弟の大地。
麦は、両親の離婚の原因が知りたいけれど聞き出せない……、
それに加えて、けんかをしている仲良しの友達のことが頭から離れず、モヤモヤとした気持ちを抱えながら、渋滞の車中を過ごす。
車中では、渋滞によってイライラがつのるママと、楽天的で先を読まずに発言してしまう明るいパパが言い合いを続けている。
でも、それは昔からのことで、仲が悪いとはちがうのでは……と、麦は感じていた。
渋滞回避のため、高速をおりて山道を走るなか、休憩のため外に出るが、ママがインロックをしてしまい……。
閉塞感のある渋滞の車中だからこそ生まれる団結力によって、家族の絆が再認識されます。
家族のこと、友達のこと……やり場のない気持ちにどうしようもなくなっても、前を向いて進めば解決策が見えてくる――
多感な時期にさしかかる少女の心の成長を描いた生き生きとした物語。
(PHP研究所HPから)
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表紙の絵とか見てもわかるように、
どっちかというと、「離婚」というテーマの割には楽しい話です。
「最後の家族旅行?」に出かける麦たち。しかし高速道路で大渋滞に引っかかってしまう。
イライラするお母さんと、マイペースのお父さん。
なんだか自分にも思い当たるふしがあるような…。
で、ネタバレになっちゃうけど、
けっこうあっさりと離婚するの、やめちゃうんだよねえ。
「離婚する」って決心するのかなり大変なことでしょう?
その決心をひっくり返すのは、よほどのことじゃない?
まあ好意的に解釈すれば、「本当は離婚したくなかった」ってことなんだろう。
でも、なんかなあ、――「お話」ってことなんだろうね?。
最後がハッピーエンドなのは、「子どもが読む本」としてはよかったと思います。
大人的には、甘いぞ、というところでしょう。
“Daijyutai” by Miku Ito(2019)