野生のロボット
- 2019.05.11
- 児童書・アメリカ
「野生のロボット」 作・絵:ピーター・ブラウン 訳:前沢明枝 発行:株式会社福音館書店
●
野生のなかで生きるロボットの運命は?
あらしの夜、五つの木箱が無人島に流れついた。
中にはどれも新品のロボットが一体ずつ入っていたが、こわれずに無事だったのは一体だけだった。
偶然スイッチが入り起動したロボット=ロズは、島で生きぬくために、野生動物たちを観察することでサバイバル術を学んでいく。
はじめはロズを怪物よばわりしていた動物たちだったが、
ひょんなことからガンの赤ちゃんの母親がわりとなったロズが子育てに孤軍奮闘する姿を見て、しだいに心をひらいていく。
すっかり野生のロボットとなったロズのもとに、ある日、不気味な飛行船がやってきた……。
(福音館書店HPより引用)
●
ロボットが家庭に進出している世界、ということで未来の話のようです。
地球の温暖化で海水面が上がった、なんて話が出てくる。
お話は、多分人間のお世話をするようにつくられたロズが、野生の生活に適応していく姿を描いてゆきます。、
鳥のガンの子どもを育てるようになってからは、母親代わりとなって、
しゃべり方も変わる(訳の問題だけかなあ)。
ロボットは感情もないはずですが、子どものガンに対して愛情を抱くようになる。
ロボットがだんだん「機械から生物に」近づいていくわけで、
そこらあたりがこの本の肝の部分でしょうね。
ロボットも成長する、ぼくたちも成長する、ということですか。
挿絵も著者が書いており、これがとてもいいです。
おとなも、まあ楽しめると思いました。
“THE WILD ROBOT” by Peter Brown(2016)