ゆりの木荘の子どもたち
「ゆりの木荘の子どもたち」 作:富安陽子 絵:佐竹美保 発行:株式会社講談社(わくわくライブラリー) ● ゆりの木荘は、100年以上も前に立てられた立派な洋館。 いまは有料老人ホームになり、サクラさんやモリノさんたち、6人の老人が住んでいます。 春風が吹くある日、サクラさんはだれかが歌う手まり歌──時々聞こえる歌──を耳にします。 モリノさんにいわれるまま、サクラさんがその歌を口ずさ […]
大人でもおもしろい子どもの本を紹介するブログ。
「ゆりの木荘の子どもたち」 作:富安陽子 絵:佐竹美保 発行:株式会社講談社(わくわくライブラリー) ● ゆりの木荘は、100年以上も前に立てられた立派な洋館。 いまは有料老人ホームになり、サクラさんやモリノさんたち、6人の老人が住んでいます。 春風が吹くある日、サクラさんはだれかが歌う手まり歌──時々聞こえる歌──を耳にします。 モリノさんにいわれるまま、サクラさんがその歌を口ずさ […]
「赤い糸でむすばれた姉妹」 作:キャロル・アントワネット・ピーコック 訳:日当陽子 発行:株式会社フレーベル館 ● 「国際養子縁組」なんてことがあるとは。今回初めて知った。 特に中国からアメリカへ、というのが多いらしい。 ピークの2005年には約7900人が中国からアメリカへ渡ったそうだ。 中国の「一人っ子政策」も影響しているそうだ。 この物語は、中国からアメリカへ渡った少女ウェンと施設に残った少 […]
「縄文の狼」 作:今井恭子 絵:岩本ゼロゴ 発行:株式会社くもん出版 ● 狼と人とは住む世界が違った。父さんたちが、こえてはならぬ一線をあえてこえたのは…。 赤ん坊のころ狼にさらわれ、狼とともに育った少年キセキ。 1万年以上前の縄文時代に繰り広げられる、少年と狼たちの絆と進化の物語。 (hontoより) ● 「こんぴら狗」を書いた今井さんが、なんと縄文時代を舞台に、 狼少年(というに […]
「物語のものがたり」 作:梨木香歩 発行:株式会社岩波書店 ● 梨木さんの小説は読んだことがありませんが、この書評集を読むことができました。 メインは「『秘密の花園』ノート」で、これが本の半分を占め、 のこりが文庫の解説や対談などです。 すごいなあ、と思ったのはやはり「『秘密の花園』ノート」で、 「この作品の醍醐味は、実は読書中に見つける細部にある」 とおっしゃっているとおり、細かいところをとりあ […]
「村は大きなパイつくり」 作:ヘレン・クレスウェル 訳:猪熊葉子 絵:V・H・ドラモンド 発行:株式会社岩波書店 ● やあまいりました。 この項をある程度書いたのですが、うっかり消してしまったのです! もう書き直す気になれない! ということで、気を取り直して少し書きましょう。 1.この本は50年以上前の本です! 書かれたのが1967年ですからね。まあある種古典的な作品です。 村総出でパイをつくる。 […]
「戦国姫―武田の姫君たち―」 作:藤咲あゆな 絵:マルイノ 発行:株式会社集英社(集英社みらい文庫) ● 突出した才能で甲斐国を統一した信虎、〝甲斐の虎〟と謳われた名将・信玄、武田氏最後の当主となった勝頼。 領土拡大を狙い戦に明け暮れる武田の男たちに、一族の姫は翻弄される…。 信虎の正室・大井の方、信玄の正室・三条の方、信玄の側室・諏訪御寮人、信玄の末娘・菊、勝頼の継室・北条夫人、 5人の姫たちの […]
「那須正幹童話集5 ねんどの神さま」 作:那須正幹 絵:武田美穂 発行:株式会社ポプラ社 ● 那須正幹さんが7月にお亡くなりになりました。79歳。 那須さんといえば言うまでもなく「ズッコケ三人組」ですね。 ぼくも「ズッコケ」読んだことあります。 子どもが図書館で借りてきたのをちょっと読ましてもらったんですね。 なかなか面白かったです。 子どもが楽しめる物語、であったわけですが、それは大人が読んでも […]
「金の鍵」 作:ジョージ・マクドナルド 訳:脇明子 絵:モーリス・センダック 発行:株式会社岩波書店 ● 「かるいお姫さま」と同様、センダックの絵で彩られたマクドナルドシリーズです。 虹のはしっこにあるという金の鍵を見つけた少年が、少女とともに不思議な国を鍵穴を求めて旅する、というのがおおざっぱなお話。 もっとも少年より少女の方が中心の話ですが。 妖精の国の物語、ということなのか、いろいろ不思議な […]
「かるいお姫さま」 作:ジョージ・マクドナルド 訳:脇明子 絵:モーリス・センダック 発行:株式会社岩波書店 ● 「オリジナル昔話」といったところでしょうか。 マクドナルドが作った童話です。 なかなかできなかった子どもがやっとできた王様とお妃さま。 でも、魔女(といっても王女なんですが)を洗礼式に呼ばなかったばっかりに、 呪いをかけられて、お姫さまは心も体も「かるい」お姫さまになってしまいます。 […]
「太郎の窓」 作:中島信子 発行:株式会社汐文社 ● 太郎は「トランスジェンダー=性同一性障害」だった―― 「男らしくしろ、強くなれ」「立派な跡取り息子になれ」と太郎に過度の期待をする父親。 「優しい男の子でもいいじゃないですか」と言いながら、父親の言葉に逆らえない母親。 そして太郎のことをただ一人理解している祖母。 小学校に通うようになった太郎に、次々と苦難がふりかかる…。 ● 以 […]